妊娠に関することでお悩みの方へ
無理なダイエットをして痩せてから月経が来なくなった、健康によかれと思いマクロビをしたら月経不順になった、という女性が多く相談に来られます。脳の視床下部がホルモン分泌の司令塔ですが、ここは低栄養や痩せの影響をうけやすいのです。またBMI30以上の過度な肥満も脂肪細胞から悪い物質が分泌され無月経になることがあります。
ストレスも月経不順や不妊の原因になります。視床下部がストレスの影響を受けやすいためです。ですから月経不順や不妊に対して適切な栄養摂取、体重維持とともにストレスコントロールも重要になってきます。
卵管、卵巣、子宮、精子などに異常がなく原因がはっきりしない不妊症のことを原因不明不妊症とか機能性不妊症といいます。しかし、分子整合栄養医学的にはこれらの不妊症の主な原因は細胞レベルの栄養不足と考えています。ですから機能性不妊症は栄養欠損性不妊症とも言えます。内科や産婦人科で血液検査に異常なしと言われても、分子整合栄養医の視点で見ると様々な栄養不足が見つかります。栄養不足が不妊の主原因なのですから適切な栄養摂取で多くの場合妊娠可能です。
早期に流産するのは、染色体異常によるものが殆どです。自然淘汰の一種でこれは仕方ないことです。妊娠12週~22週での中期・後期流産の多くは母体の栄養欠損が背景にあると考えます。早産も、母体の栄養状態が悪いとお母さんからもうもらえる栄養がないと赤ちゃんが判断して早く出てくるのです。中後期流産や早産も栄養療法で予防可能です。
検査技術が進み、男性側に問題が多くあることが分かるようになりました。精子も栄養でできますので、タン白質、亜鉛、ビタミンAなどの栄養が精子の質を高めてくれます。また喫煙、過度の飲酒などの精子は悪影響を及ぼしますので摂生も必要です。
産婦人科で栄養不足を指摘されないのは、基準値内に収まっていれば異常なしと診断するためです。基準値というものは、検査した人の95%の人が入るように設定されていますので、基準値から外れる方が珍しいのです。基準値の下限に近い場合は栄養が不足しているので値が低くなっていると考えるのです。