女性の原因不明の症状
女性は月経のため慢性的な鉄不足状態にあります。鉄は脳内の神経伝達に関する酵素に多く必要とされていると説明しましたが、その他にも粘膜、エネルギー産生器官のミトコンドリア、コラーゲン産生、体温調節に関わる酵素などにも必要とされます。
一見鉄不足が原因と思えない症状も実は鉄が関係しているのです。例を挙げると、倦怠感・易疲労・頭痛・めまい・耳鳴り・鬱・ヒステリー・微熱・むくみ・咽頭違和感・脱毛・光線過敏症・皮下出血(青あざ)・鼻出血・胸痛・嘔気・胃痛・便秘・氷や茶葉を食べる異食症などなど、症状は多岐に渡ります。
原因不明の体調不良でお困りの女性は、一度貯蔵鉄の測定をしてみてはどうでしょうか?尚血清鉄の測定では鉄不足の有無が分かりません。貯蔵鉄のチェックが重要です。鉄不足が原因での症状は、ヘム鉄摂取で劇的に改善します。今までの症状がウソのように改善することに多くの方が驚かれ、また喜ばれています。
補足
- 日本の医学部では鉄やビタミンの臨床上の重要さを説く講義がないので、これらの栄養素の重要性を知りません。また分子整合栄養医学も教えていませんので、大半の医師は分子整合栄養医学的な診断や治療ができません。ヘモグロビンが軽度下がっていても、軽い貧血で心配ありませんと言う医者が大半です。鉄欠乏の診断がきちんとできる医者は皆無に等しいですし、当然鉄欠乏による様々な症状についても知らないのです。ですから「異常なし」とか「原因不明」ですという診断しかできないのです。
- 偏頭痛と言われている女性の多くは、鉄欠乏による頭痛と思われます。多くの場合ヘム鉄摂取で治ります。
- 鉄不足だと、血管拡張による毛細血管圧の上昇や、酸素圧低下による毛細血管透過性の亢進や、血管の周りを覆うコラーゲンの脆弱性などにより血漿成分が漏出し浮腫(むくみ)を来たします。特発性浮腫と診断されている女性の多くは鉄欠乏が原因と思われます。ちなみに、「特発性」とは原因がよく分からない場合につける用語です。
- 貧血がなくても(ヘモグロビンの値が正常範囲内でも)鉄の不足はあります。貯蔵鉄が80ng/ml未満の場合、分子整合栄養医学的には鉄欠乏と診断します。保険で処方される鉄剤は吸収が悪いばかりでなく活性酸素を発生させるのでヘム鉄での摂取が望しいです。
- 体温調節に関与している酵素も活性の中心が鉄なので、鉄不足だと37度台の微熱が続くことがあります。大半の病院では膠原病を疑い色々と検査をしますが、結局「異常なしです」とか「原因不明です」と言われる場合が多いようです。ヘム鉄の摂取で微熱も早期に治ります。
- 光線過敏症といって日光やレーザー、IPLなどの光にあたると、皮膚が赤く腫れる病気がありますが、これも鉄不足が関与している場合が多いと考えます。鉄はビタミンCやタン白質とともにコラーゲン生成に必要な栄養素なので、不足すると皮膚のコラーゲンが脆弱化し、光刺激に過敏になるものと思われます。ヘム鉄・ビタミンC・タン白質の摂取で、光線過敏症の多くは改善します。
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