ダイエットの真の目的は、ただ体重を減らすことではなく、筋肉を落とさずに脂肪のみを減らすことです。
タン白質は毎日体重1kgあたり約1g必要で、しかも食いだめができない栄養素なので毎日きちんと食べないといけません。タン白質の摂取が少ないと、筋肉を壊してタン白質に変えて利用してしまい、筋肉が細くなってきます。脂肪は1gで9kcalあります。成人女性の平均的な摂取カロリーが1日1,800Kcalくらいですので、800~1,000Kcalほど食事での摂取カロリーを減らすと、1日で100gほど脂肪が燃焼してくれ、1ヶ月で3kgほど脂肪減量ができる計算になります。ですから1ヶ月に3~4Kgの脂肪減量が限界というわけです。
運動でもカロリーを消費しますが、1時間歩いても消費カロリーは200Kcal強にしかなりません。ビール中瓶1本のカロリーが約200kcalですので、運動後に喉が渇いたからといってビールを飲んでしまったら結局±0で脂肪の減少にはつながりません。運動だけによる減量はなかなか現実的ではなく、摂取カロリーの制限が必須になってきます。
筋肉は脂肪よりも比重が重く、ダイエット食品に含まれているタン白質の量が少ないと筋肉が痩せ細って見かけ上は体重が減ります。TVで「1ヶ月で7kgの減量に成功!」という内容のダイエット食品のCMを見かけますが、その半分以上は筋肉が落ちたことによる体重減少なのです。しかもそういった筋肉を痩せ細らしてしまうダイエットをすると、筋肉は熱を多く産生するので基礎代謝量が低下しリバンウンドしやすい体質になってしまいます。間違った食事制限をすると、タン白質をはじめミネラルやビタミンの不足も生じ、月経不順、肌のトラブル、精神神経症状の出現などの原因にもなりかねません。
タン白質、ビタミン、ミネラルは減量中でも1日に必要とされている量をしっかり確保し、炭水化物や糖質を制限することで摂取カロリーを抑えることが重要になります。肉などでタン白質を確保しようとするとどうしても脂肪過多になってしまいますので、無脂肪のプロテインパウダーを使うほうがいいでしょう。脂質や糖質の代謝に関与するビタミンB群、α-リポ酸、カルニチン、ビタミンC、CoQ10などの摂取も脂肪を減らすのに役立ちます。