貧血

ここでは一番頻度の高い鉄欠乏性貧血についてお話します。
ヘモグロビン (注1) が低くなっていない隠れ鉄欠乏(フェリチンという貯蔵鉄のみ低下している状態)の診断が医療現場では正しくなされていないのが問題です。鉄欠乏は倦怠感、うつ症状、イライラ、不安発作などの精神神経症状がよく見られますので、精神疾患と誤診される場合がよくあります。保険で処方される鉄剤は無機鉄 (注2) という鉄で、吸収率が悪く活性酸素を発生させ胃腸の粘膜を荒らすため、胃痛やムカムカなどの胃腸症状がよくおきます。

吸収率がよく活性酸素を発生させないヘム鉄 (注3) の摂取で、ヘモグロビンの上昇はもちろんのことフェリチンの上昇が無機鉄に比べると速やかに得られます。また血液を造るにはタン白質も材料として必要ですので、タン白質の補給もヘム鉄と平行して行う必要があります。血液は骨髄で造られますが、造血にはビタミンAやビタミンB群も欠かせません。

注1 ヘモグロビン:赤血球の主な成分で酸素を運ぶもの
注2 無機鉄:ほうれん草などの植物に含まれている鉄、反応しやすい金属なので細胞を傷つける活性酸素を発生させる
注3 ヘム鉄:有機鉄ともいう、動物が蓄えている鉄で有機物に被われているので活性酸素を発生させない安全な鉄、吸収率も格段によい