ニキビ・ふきでもの

男性ホルモンは皮脂腺の働きを活発にし、女性ホルモンは皮脂腺の働きを抑制します。ビタミンAが不足すると毛孔の角化異常が起き、毛孔に皮脂が詰まりニキビができやすくなります。
思春期にホルモンバランスが乱れ男性ホルモンが優位になり皮脂の分泌が盛んになり、毛孔の角化異常をきたした毛穴に皮脂がつまると、まず白ニキビができます。皮脂が酸化されると黒ニキビになります。皮脂をえさとして細菌が増殖し、そこに白血球が遊走し細菌を貧食すると、炎症がおき膿をもった赤ニキビになるのです。

毛孔の角化異常をビタミンAで改善させると同時に、しっかりと泡立てた洗顔剤で包み込むように優しく汚れを落とす(ゴシゴシ洗わない)ことが重要です。
またストレスで自律神経が障害を受けると、ホルモンバランスが崩れやすくなります。思春期のニキビは、女性ホルモンと男性ホルモンのバランスが崩れていることが主な原因ですので、第2次性徴が進むと自然と治る場合が殆どです。
大人ニキビはまた機序が違います。一番は糖質の過剰摂取が原因です。その他には皮脂の分解に必要なビタミンB不足、角化異常、コラーゲンの脆弱化などが関与していることが多いです。

ニキビの原因菌であるアクネ菌を殺す抗生物質での治療や光療法は対症療法にすぎません。角化異常や鉄などの栄養素不足を放置しままでは、また時間が経つと再発してしまします。
血液検査で不足栄養素を分析同定し、不足栄養素の摂取でニキビを根本的に治療することをお勧めします。尚、漢方薬を併用するとより治療効果が早くでる場合があります。

  • 栄養素代:1~2万円/月
  • 推奨栄養素:天然ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ヘム鉄、亜鉛

補足

  1. 皮脂の過剰分泌は糖質の過剰摂取が最大の原因ですので、糖質制限(パン、麺類、スイーツなど)が何より重要です。
  2. 細胞の分裂には亜鉛が必要です。次に皮膚細胞が正常に分化するにはビタミンAが必要になりますが、ビタミンAが不足すると分化が正常に行われなくなり、角化異常(角化異常とは皮膚に小さな角が生えたような鳥肌様の状態になること)が起こります。
  3. が不足すると皮膚のコラーゲンが脆弱化し、吹き出物ができやすくなります。コラーゲン生成には鉄・タン白質・ビタミンCが必要です。尚、鉄の補充にはヘム鉄をお勧めします。
  4. ホルモンバランスの乱れはストレスが関与していますので、ストレス対策もニキビには重要です。尚、ストレスに打ち勝つための抗ストレスホルモン産生にはビタミンCが必要です。 抗ストレスホルモンとは、副腎皮質で産生する副腎皮質ホルモン(ステロイド)のことです。
  5. ニキビ治療にケミカルピーリングをする場合がありますが、これは角化異常を起こした毛孔に詰まった皮脂を除去するのと、ピーリングのあとにビタミンAなどの栄養素を導入することで治療効果を発揮しているものと考えます。