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アトピー性皮膚炎の患者さんなら、最初にステロイドを塗った時は赤みや痒みがすぐひいた、けれどやめると再発するので長期間ステロイドを塗ってしまう、すると治るどころか最初に出ていた箇所以外にも皮膚炎が拡がったり、ステロイドを塗っても赤みが治まらなくなったりした、という経験があると思います。何年も塗ってやっとステロイドでは根本的に治らないということに気付き、ステロイドからの離脱(脱ステ)を試みますが、我流ではなかなかよくなりません。ステロイドを長期間塗ったことで、皮膚萎縮(ステロイドの副作用の一つで皮膚が薄く弱くなるというものです。皮膚のバリア機能が低下してアレルゲンが侵入しやすくなっています。)や皮膚の免疫能の破綻(ステロイドは免疫抑制剤なので皮膚の免疫細胞をダメにします。)や副腎機能低下(副腎皮質ホルモン剤を塗っていると副腎で自前の副腎皮質ホルモンを産生する能力が低下します。)などの副作用が生じているので、ステロイドを塗るのを止めるだけではなかなかよくなりません。
脱ステをしている皮膚科もわずかですがありますが、保険のビタミン剤、抗アレルギー剤、保湿剤を処方する程度なので、これではなかなかよくなりません。脱ステと同時にステロイドを塗って生じた副作用を是正しないといけません。つまり、皮膚の健全化や副腎強化を栄養で行う必要があるのです。栄養療法を行いながら脱ステを行っても、長期間ステロイドを塗っている場合は簡単には健全な皮膚を取り戻すのは容易ではありません。塗った期間と同じくらいもしくはそれ以上の期間を要しますので、脱ステをされる場合は覚悟と忍耐が必要になります。