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花粉皮膚炎

アトピー性皮膚炎で治療中の患者さんの中に、花粉が飛散する2月くらいから鼻水・くしゃみ・目のかゆみなどの花粉症の症状はないけれど、目の周囲や顔、首に発赤が出現してくる人が多いです。こういう病態を花粉皮膚炎といいます。皮膚は異物を侵入させないバリア機能を担っている重要な器官ですが、アトピー性皮膚炎の患者さんの多くはステロイドを長期間塗ったことがあるので皮膚萎縮という副作用を起こしています。ですから、花粉、PM、黄砂などが皮内に侵入し炎症を起こしやすくなっているのです。
アトピーの治療歴がない人でも花粉皮膚炎を発症します。今年は例年の5倍以上のスギ花粉が飛散しているため、今年初めて症状が出ると言う人も多いようです。花粉皮膚炎は、皮膚の栄養不足があるため皮膚のバリア機能が低下していることが原因だと考えます。皮膚粘膜上皮細胞が正常に分化するためにはビタミンAが必要です。その他にも皮膚の健全化には、タン白質、亜鉛、ビタミンB、ビタミンC、鉄なども欠かせません。皮膚科に行くと、ステロイド外用と抗ヒスタミン剤内服というお約束の治療になります。抗ヒスタミン剤を一時的に内服することは構いませんが、ステロイドを塗ると先ほど書いた皮膚萎縮という副作用が起きますので、本格的なアトピー性皮膚炎に移行する危険性があります。分子整合栄養医学的には、アレルゲンが侵入しにくい皮膚粘膜を作ることが重要と考えています。