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隠れ貧血

ロート製薬は、社員の6割を占める女性の5人に3人が「体調が優れない」と感じていることを問題視し、 本人の自覚がない「隠れ貧血」の社員を見つけ出し、原因とされる鉄分不足を解消してもらうため、昨年4月から、鉄の過不足を診断するための項目「血清フェリチン」を健康診断の際に自己負担なしで受けられるようにしたそうです。こういう取組が行われるということは、隠れ貧血(鉄欠乏)が世間でも少しずつ認識されてきた証拠だと思います。
フェリチン測定をすることは有意義ですが、どの値から鉄不足と診断するかがまず問題になるかと思います。一般的な基準値で診断されてしまうと鉄不足が見逃されてしまいます。尚、分子整合栄養医学的には有経女性のフェリチンの目標値は40~45ng/ml以上と考えています。また鉄不足と診断された場合の対処法をどうするかということも気になります。ヘモグロビンが低下していなければ貧血と診断されませんから、フェリチンが低いだけでは保険の規則上鉄剤を処方できません。また保険の鉄剤は無機鉄なのでフェントン反応を引き起こし活性酸素を発生させて胃腸粘膜を荒らし、胃痛・下痢・嘔気・便秘などの胃腸障害が起きてしまいます。また無機鉄は吸収率が悪いのでフェリチンがなかなか増えません。隠れ貧血=低フェリチンに対しては、ヘム鉄の摂取を行わなければフェリチンはなかなか上昇しませんし、市販のヘム鉄では含有量が少なすぎて効果が期待できません。低フェリチンと診断された場合は、治療用のヘム鉄の摂取をしないとフェリチンも増えませんし当然体調も改善しません。低フェリチンと診断された場合は是非分子整合栄養医にご相談ください。