blog
栄養療法においてプロテインは欠かせない栄養素です。タン白質が人間の身体を構成する基本の栄養素だからです。内臓、血液、免疫細胞、抗体、酵素、神経伝達物質、皮膚、毛髪、コラーゲンなど、ありとあらゆるものがタン白質からできています。栄養素を全身に運搬するには栄養を載せるトラックが必要で、これを運搬タン白といいます。ビタミンやミネラルをしっかり摂っても、タン白質不足で運搬タン白がちゃんと作れていないと栄養療法がうまくいきません。タン白質不足をチェックする項目の一つはアルブミン値です。アルブミンが4g/dl未満ですとタン白質不足と考えます。栄養療法だけでなく薬物療法をするにしてもアルブミンが低いと治療がうまくいきません。ドラックデリバリーと言って薬を全身に運ぶためには薬がアルブミンと結合する必要があります。アルブミンが低いと薬がきちんと運搬されず薬効がでにくくなります。
栄養療法をされる患者さんも、初回は栄養処方案にあるプロテインを購入しても、2回目以降注文しない人が結構います。飲みにくい、おいしくない、などの理由もあるでしょうが、タン白質の意義を理解していないことも継続してプロテインを摂取しない原因ではないかと思います。プロテインの語源は、古代ギリシャ語で、「プロテイオス」という言葉で「もっとも重要なもの」という意味です。プロテインを飲むと太る、筋肉マッチョになる、と誤解している人も少なくありません。プロテインはむしろダイエットに効果的な栄養ですし、プロテインを飲むだけで筋肉はつきません。(筋肉に負荷をかけないとつきません)また、アンチエイジングにおいてもタン白質が一番重要な栄養素です。みなさん、もっとプロテインの重要性を認識してしっかり摂取するようにしてください。