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不妊症の方がまず受診するのは産婦人科だと思います。治療としてはタイミング療法→人工授精→体外受精→顕微授精になります。こういう順序を踏むのを不妊治療のステップアップと言うそうです。ステップアップというと聞こえはいいですが、費用も身体的負担も増えるので状態的にはシビアになっているのではないかと思います。
高度な技術を使った不妊治療を受けたくないと言う人も少なからずおられます。そういう方が真っ先に頼るのが漢方治療です。漢方治療も部分的に不妊に有効なことはあります。ホルモンバランスを整えたり血流を良くしてくれたりする部分においては。しかし、機能性不妊症・原因不明不妊症(卵巣、卵子、子宮、精子に異常がないのに妊娠しない)の殆どは背景に栄養欠損があると言っても過言ではありません。鉄が足りないならヘム鉄を、亜鉛が足りないなら亜鉛を補充して細胞・組織の分子濃度を是正させるのが一番手っ取り早いです。漢方薬自体には栄養は全く含まれていません。漢方は安全安心と思われがちですが、漢方薬も薬です。人間の細胞を構成する成分ではない異物なので必ず解毒排泄しないといけませんし、副作用が出る場合もあります。一方の栄養素(鉄・亜鉛・プロテインなど)は細胞を構成する生体内分子なので、そのまま利用でき解毒排泄する必要もありません。
妊娠にはタイムリミットがあります。機能性不妊症・原因不明不妊症と診断された場合はできるだけ早めにご相談ください。