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朝起きられないことが栄養と関係があるなんて

gdmクリニックには朝起きられない児童・生徒さんがよく受診されます。殆どの児童・生徒さんが小児科や内科で起立性調節障害と診断され、昇圧剤や漢方薬などを処方されていますが、よくならないので色々調べてgdmクリニックに辿り着きます。
ある生徒さんの保護者の方が、小児科で薬を処方されても症状が改善しないので色々調べたら、食べるものと関連があること知ったそうです。栄養と朝起きられない症状に関係があるとは全く思いもしていなかったとのこと。今は飽食の時代ですので、栄養失調になるなんて思いもしないでしょう。しかし、今は選択肢が豊富になり過ぎて好きなものを食べられることで却って栄養不足や栄養バランスの乱れが生じている人が多いのです。
思春期の児童・生徒さんの朝起きられない最大の原因は鉄欠乏ですが、その次に多いのが低血糖症です。私の場合、子供のころアイスやジュースはめったに口できませんでしたし、インスタントラーメンもあまり種類がなく家に常備されていませんでした。しかし、最近は冷蔵にアイスやジュースが常備されているご家庭が多いようです。インスタント麺も種類が豊富になり昔より気軽に食べている子が多いと思います。実際我が子もノグリという韓国ラーメンを自分で作って食べています。
砂糖が入ったもの(アイス・ジュース・チョコなど)や小麦粉製品(麺類やパン)は血糖が急上昇し、それに呼応してインスリンが大量に分泌され血糖が急降下します。こういったものの摂取を続けていると(血糖の乱高下が持続すると)自律神経が乱れてきて、最終的には低血糖と自律神経の乱れで朝起きられなくなります。
特別な食事をする必要はなく、白米1膳と肉・魚・卵や野菜などのおかずをしっかり食べ、砂糖が入ったものや小麦粉製品の摂り過ぎに注意する、だけで低血糖症対策はOKです。ただ成長に伴う鉄の需要によって生じた鉄欠乏に関しては、食事療法や保険の鉄剤だけでは治りませんので、治療用のヘム鉄を摂取する必要があります。市販のヘム鉄やアメリカ製のキレート鉄ではダメです。