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糖の摂り過ぎが朝起きられない原因だった

朝起きられない中学生・高校生がよく受診されます。朝起きられないという主訴で小児科を受診すると起立性調節障害という変な病名をつけられます。この病名がそもそもの間違いです。朝起きられない原因が、血圧が低いことだと医師が間違って認識している以上治すことはできません。血圧を上げる薬が処方されますが効果はありません。自律神経の乱れで血圧の調節がうまくいかないと考えられていますがそうではありません。エネルギー不足で血管の調節ができない、動く力がでない、のが思春期の朝起きられない最大の原因です。エネルギー産生がうまくいかない原因は、成長のために鉄やタン白質などの栄養が使われるから=栄養欠損(主に鉄欠)です。栄養欠損以外の原因で多いのが低血糖です。栄養欠損+低血糖の子も少なくありません。
低血糖になる原因は糖分の摂り過ぎです。糖を摂ると血糖が急上昇したあとにインスリンが過剰に分泌され低血糖になります。夜アイスやチョコ、ジュースを飲んで寝ると就寝中に低血糖になり朝も低血糖のままで起きられません板チョコ1枚以上食べる子は珍しくありません。夏休みにチョコたくさん・アイス1日個・カル●ス500ml・ヤク○ト2本を1日に摂っていたという子もいました。お母さん曰く、乳酸菌が起立性調節障害改善に有効と聞いてカル●スとヤク○トを摂らせていたそうです。ちなみにカル●ス500ml中の糖分は55.5g(角砂糖換算で16個)、ヤク○ト80ml中の糖分は14.4g(角砂糖換算で4個)です。また起立性の改善には水分摂取をしっかりするように指導された子が、スポーツドリンクを大量に飲んで低血糖になっていた子もいます。何度もいいますが、中高校生の朝起きられない殆どの原因は栄養欠損(鉄欠)か低血糖ですので、変な情報に惑わされることなく、まず何が原因から血液検査で調べる必要があります。鉄欠なら治療用のヘム鉄の摂取(市販のものやアメリカ製のキレート鉄はダメです)、機能性低血糖症なら糖断ちと正しい食事を摂る、という治療になります。