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栄養療法は不足している栄養素を至適量摂取しないと治療効果がでません。朝起きられない(起立性調節障害)原因が鉄欠乏の場合は、鉄だけ(ビタミンB群も追加することはありますが)を十分量摂取すればいいです。亜鉛や葉酸など他の栄養素を摂取する必要はありません。しかし、不妊・妊娠目的の場合はそうはいきません。複数の栄養欠損が関係しているからです。また赤ちゃんの成長も単一の栄養だけで順調に行きません。鉄・ビタミンB群・ビタミンA・亜鉛・タン白質など何種類もの栄養素が必要になります。不妊治療目的で受診される方に、gdmクリニックの処方する栄養素が高いからどれか1種類飲むとしたらどれがいいか?尋ねる人がたまにいます。1種類だけ飲んでも殆ど効果がでないのと、赤ちゃんの脳神経の成長には複数の栄養が必要なので、どれか1種類選べと言われても無理です、と答えます。
小中学生の11人の1人が発達障害の疑いがありと言われています。分子整合栄養医学的には、発達障害の子供たちが増えている原因の一つに栄養不足が関係していると考えています。日本人女性に痩せ、栄養欠損の人が多いことはブログによく書いています。栄養欠損があると妊娠しにくくなり、栄養欠損状態のまま体外受精で妊娠させると、母体は妊娠中も当然栄養不足のままなので赤ちゃんの脳神経の成長がうまくいかなくなる危険性があります。
幼児期の栄養ももちろん重要ですが、妊娠中の栄養は赤ちゃんの脳の成長にとって非常に重要になると考えています。gdmクリニックで不妊治療して妊娠された方は、妊娠初期→中期→後期と血液データをチェックしますが、しっかり栄養素を摂取していても鉄、亜鉛、タンパク質の低下は著しく、別人の様な血液データになります。栄養療法していてもこうですから、妊娠前・妊娠中に栄養療法していない人はもっと栄養欠損が激しくなるのだろうと容易に想像できます。
とにかく妊娠中こそ栄養をしっかり摂取する必要があります。お母さんのおなかの中にいるのは10か月という限られた時間です。