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俺の話を聞け

クレイジーケンバンドのタイガー&ドラゴンという曲の中に「俺の俺の俺の話を聞けー!」 というフレーズがあります。そういう感情になることが時々あります。
朝起きられない、登校できていない児童生徒がgdmクリニックをよく受診されます。以前受診したある生徒さんは血液検査でフェリチンが測定不能でした。鉄欠乏が朝起きられない主原因と考えヘム鉄の摂取を開始してもらいました。しかし、ヘム鉄がなくなる時期を大幅に過ぎてヘム鉄を購入しに親御さんが来院されました。その際に、「亜鉛や葉酸を摂取しなくてもいいのですか?」聞かれます。朝起きられない原因として亜鉛や葉酸不足は関係ありません。妊娠を考えているなら葉酸を摂取するのはいいです。また皮膚疾患があるなら亜鉛摂取も有効でしょう。「鉄欠乏が深刻。鉄は吸収されにくい栄養素なので処方された量をしっかり飲まないと鉄の貯金は増えません。」と結果説明の時にお話ししているのに・・・・・(私の話をしっかり聞け、聞いとらんのか?)。受診間隔から、摂取量は私の処方案の3分の1くらいしか摂れていない計算になります。数学の点数が学年で下から数えるほど悪い生徒さんがいたとしましょう。英語や国語などの他の教科は8割以上とれている場合、とにかく苦手な数学の勉強に全力を注ぐことが総合得点をアップさせるために欠かせません。数学の塾に行く、家庭教師をつけるなどして集中的に数学を勉強すべきです。ヘム鉄をきちんと摂取せずに葉酸や亜鉛を飲ませたがるのは、数学の勉強をあまりせずにまあまあ得意な英語や国語の塾に行かせたほうがいいんじゃないですか、先生?と尋ねるようなものです。
とにかく症状の原因となっている不足栄養素をしっかり摂取し、本来の細胞・組織にあるべき栄養濃度に近づけることが改善への近道です。栄養療法は、選択(何が原因か、何が不足栄養素か)と集中(分子濃度を正常かするだけの量を確保する)が大事です。