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本物の起立性調節障害は治ります

小学校高学年~中学生・高校生が朝起きられず登校できなくなることがよくあります。小児科を受診すると起立性調節障害というおかしげな診断名がつき、血圧を上げる治療が行われます。しかし昇圧剤を飲んでも朝おきられるようにはなりません。標準医学では朝起きられない原因が自律神経の関係で血圧をうまく調節できないことだと考えています。これが大きな間違いなのです。原因を間違って捉えているので当然治療方法も正しくありません。
思春期は急激に体格が大きくなります。骨の成長、筋肉の成長、循環血液量の増大などで鉄やタン白質などの栄養が大量に使われてしまい、栄養欠損状態に陥りやすいのです。骨の成長にカルシウムと思っている人が多いですが、骨はカルシウム以外に鉄・タン白質・亜鉛などが材料として使われます。鉄はミトコンドリアでのエネルギー産生に欠かせない栄養素なので、鉄が不足するとエネルギーがうまく産生できず、力が出ない・血圧の調節がうまくできない・すぐ疲れる、などの症状を引き起こします。心を安定させるセロトニンややる気をださせるドーパミンなどの脳内神経伝達物質の合成にも欠かせないので、気力の低下やうつ症状なども合併するケースが少なくありません。
朝起きられない他の原因としては、糖質の不適切な摂取による機能性低血糖症やスマホやゲームのしすぎによる半昼夜逆転などがあります。糖質依存やスマホ依存の場合は、栄養療法の守備範囲ではないので当院では治療が難しいです。しかし、糖質の過剰摂取がなくスマホも夜遅くまでしていない単なる栄養欠損の場合は、適切な栄養アプローチで必ず治ります。適切なというのがミソで、市販のサプリメントでは治る可能性が低いのです。溶けない(溶けなければ吸収されない)・吸収率が悪い・含有量が少ない・ボトルに書いてある目安量だと摂取量が不十分、などの理由で自己流の治療ではなかなかよくなりません。私のような診断・治療(サプリメント選びが難しい)を行っている医療機関が他にあるか知りませんので、早く治したい親御さんには遠方でも一度岡山まで受診していただくようにしています。もう少しで期末テスト、それが終われば夏休みです。夏休みこそ受診のチャンスです。うまくいけば2学期から元気に登校できるかもしれません。