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健康診断の弊害

うつ症状でお困りの患者さんがよく受診されます。先日受診された方は、ヘモグロビンが基準以下・タンパク質不足・鉄の貯金が少ない・ビタミンBや亜鉛の不足、などを認めました。話を聞いていると、数年前の健康診断でコレステロールが高めで、「肉や卵の摂取を控えましょう」というコメントが書かれていたそうです。真面目にその指導に従い、肉や卵の摂取を控えていたそうです。コレステロールの基準値がまず厳しすぎる(低めに設定しすぎ)なことが問題です。またコレステロールが基準値を超えていても動脈硬化になっていない人も少なくないのに、基準値超えたら脳梗塞・心筋梗塞になるから薬を飲みなさい、という指導・治療が横行していることも問題です。
この方のように肉の摂取を控えると、鉄・亜鉛・ビタミンB群・タン白質などの栄養が不足してしまいます。心を安定させるセロトニン合成に必要な栄養素は肉に多く含まれています。このように健康診断は、コレステロール値で画一的に診断・コメントをが書かれてしまし、くそまじめに従うと逆に健康を害してしまうことがあるのです。
胃がん・乳がん・子宮がん・大腸がん健診は受ける意義はありますが、健康診断の血液検査のコメント欄をみると脂質に関してはいつも?と思うコメントが多いです。動脈硬化には、喫煙・糖尿病・高血圧症・ホモシステイン高値・炎症など複数の要因が関与していますので、複合的に考えてコレステロールを下げる薬を使うべきかどうかを決めるのが望ましいと思います。