妊娠はゴールではありません

なかなか妊娠しなかった方は、やっと妊娠するとほっとされると思います。しかし、妊娠はゴールではなく赤ちゃんにとってスタートにすぎません。赤ちゃんは10か月間栄養をお母さんからもらって成長します。しかし、お母さんの栄養状態が悪いと、赤ちゃんはお母さんからもらえる栄養がないと諦めて早くでてきます（早産）。特に、自然妊娠しないから顕微授精によって妊娠した女性に早産のリスクが高いです。自然妊娠しないのは栄養不足が背景にあることが多いからです。
栄養状態の悪いお母さんにおなかにいると、少しでも栄養を吸収しようという遺伝子（肥満遺伝子）にスイッチが入ります。そのため、生まれてからも栄養を吸収しやすい体質が続き、大人になって肥満になる人が多いということが判っています。肥満＝内臓脂肪蓄積は、糖尿病・脂質異常症・高血圧症・高尿酸血症などの原因になります。
妊娠前、妊娠中にビタミンＢ群やヘム鉄をしっかり摂取しているお母さんから生まれた赤ちゃんは、神経の発達もよくなります。妊娠中こそ栄養の需要が亢進している時期ですので、妊娠が判明したらよりいっそう赤ちゃんの成長のために必要な栄養素（タン白質・亜鉛・ビタミンＡ・ビタミンＢ群・鉄など）をしっかり摂取することをお勧めします。