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鉄不足から疑われる疾患

成長期の子供や生理のある年代の女性の大半は鉄不足です。妊婦さんも妊娠後期になると鉄欠乏は必発です。一方、成人男性は通常鉄不足にはなりません。フェリチンも100ナノグラム/dl以上ある場合が殆どです。多い人は500ナノグラム/dl以上ある人もいますが、これが脂肪肝の影響も加わっての値です。時々鉄不足の男性がいますが、こういう場合、胃や大腸の病気が潜んでいないか心配になります。鉄を失う病気と言えば、胃癌・大腸癌・痔核出血などがまず頭に浮かびますので、胃や大腸の内視鏡検査をうけるようにお話しします。癌がなくても、胃にピロリ菌感染があるだけで鉄欠乏になるケースもあります。ピロリ菌感染があるだけでは保険で除菌はできません。内視鏡でまず胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍と診断されないといけません。ピロリ菌の感染の有無を調べる検査にはいろいろあります。ピロリ菌が実際いるのに、検査で陰性になる(偽陰性)ことも珍しくありませんので、やはり内視鏡で胃粘膜をきちんと観察することが重要になります。ピロリ菌の除菌をするだけで男性の場合は生理で鉄を失うことがないのですぐに鉄欠乏が改善します。女性の場合でも閉経後の方で鉄不足に急になったりした場合は同様に胃腸の病気を疑い検査をお勧めしています。