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糖尿病治療薬による危険なダイエット

GLP1受容体作動薬という糖尿病の薬が不足しており、厚労省がGLP-1受容体作動薬の在庫逼迫の伴う協力依頼を糖尿病学会にしております。需要の増加に伴い出荷制限が起きており、適正使用や買い込みを控えることなどが依頼内容です。ただ、糖尿病学会に依頼するのは筋違いで、自由診療で美容診療を行っている医療機関がダイエットの使用するために使っていることが薬が逼迫する最大の原因ではないかと思います。お笑い芸人のかまいたち山内氏が、YouTube動画で「お腹に注射を打つダイエット」で8キロの減量に成功したと報告したことなが話題になりましたように、糖尿病でない人がダイエット目的で安易に使用しているのです。(美容医療機関が安易に処方している)
インクレチン(GIPとGLP-1)は小腸から分泌されるホルモンで、食事をすることによって刺激を受け分泌されます。GLP-11は摂食によって上昇した血糖値に応じて、すい臓からのインスリン分泌を促進し、血糖値を上げる作用のある「グルカゴン」の分泌を抑制することで、食後血糖の上昇を抑える働きをすることで血糖値をさげます。GLP-1受容体作動薬は、膵β細胞上のGLP-1受容体に選択的に結合し、ATPからcAMPの産生を促進させることにより、グルコース濃度依存的にインスリンを分泌させるとともに、血糖値が高い場合にはグルカゴン分泌を抑制する、という薬です。血糖値改善以外に、腸への食べ物の排出を抑制する作用や、脳に働きかけて食欲を減退する作用もあります。この作用を利用してダイエット目的に処方されているのです。
薬には副作用がつきものです。このGLP-1受容体作動薬にも副作用があります。副作用としては、胆管炎・胆のう炎、膵炎、腸閉塞、胃不全麻痺などがあります。糖尿病でない健康な人に使用した場合、特に膵炎のリスクが9倍になると報告されています。重症膵炎は命を落とす恐ろしい病気です。薬の力を借りて簡単に痩せようと思わず、適切な食事や運動を痩せるようにしてください。