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よく親が子供に言うフレーズに「肉ばっかり食べないで野菜もしっかり食べなさい」というのがありますが、みなさんも子供の時に言われたことがあるのではないかと思います。これは、野菜はヘルシーで肉は不健康という考えが根底にあるからではないでしょうか。極端な人は、肉や卵などの動物性の食品は身体に悪いので一切摂らず、野菜やフルーツだけの食事=マクロビオテッィックをしている人もいます。日本は仏教が主流の国だったので動物を殺生して食べることに罪悪感を感じる人が多い国民性と関係があるように思います。また、野菜を食べることで子宮が温まる、というような非科学的な本がベストセラーになったりしていることも影響しているのかもしれません。しかし、マクロビは妊娠を遠ざける元凶になっているのです。実際gdmクリニックにも妊娠によかれて思いマクロビをしたが一向に妊娠しないという方が時々受診されます。血液検査をしても見ると、亜鉛、鉄、ビタミンB、タン白質などの不足が目立ちます。
人間は牛ではありませんので、草だけ食べていては細胞を正常に維持できません。牛などの草食動物は特殊な胃腸や腸内細菌を持っているので、草だけ食べていてもあれだけの大きな身体を作ることができますが、人間の胃腸はそのような機能を持っていません。ですからどうしても、肉や魚などを食べないと不足する栄養素がでてきます。特に妊娠に必要なタン白質、亜鉛、鉄、ビタミンA、ビタミンBは動物性食品に多く含まれています。ほうれん草も鉄を多く含んでいますが、植物性の鉄は非ヘム鉄なので殆ど吸収されません。ふかふかの子宮内膜を作るためにはタン白質、鉄、ビタミンAなどが欠かせませんし、卵巣機能維持するには亜鉛やビタミンEが重要になります。妊娠するにもエネルギーが必要ですが、エネルギー産生には鉄やビタミンBが重要になってきます。
マクロビで体調がよくなったという人がいるそうです。これは、それまでの食事でパン・麺類・砂糖の入ったお菓子やジュースなどを大量に摂っていたために低血糖や栄養不足になっていたのが、マクロビに変えたから低血糖が是正されたり、ジャンクフードよりもマクロビの食事の方が栄養面でましになったりしたために体調が改善したのではないかと推察します。もしくは、肉や卵に対して遅延型アレルギー(食べてから半日から数日経ってアレルギーを起こす)を起こしていたのが治まったというのも考えられます。
マクロビは妊娠を遠ざける間違った食事療法です。成長期の子供と妊娠前と妊娠中の女性は、野菜だけ食べていては不足する栄養素がたくさんでてきますので、肉や魚を積極的に摂ることをお勧めします。(アレルギーがなければ)