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医者が病気を治すと思っている人が多いですが、医者が治せる病気は限られています。腫瘍や外傷などは外科医が治すことできますが、生活習慣病(高血圧症、高脂血症、糖尿病など)や栄養欠損で生じた症状や疾患を医者は治すことはできません。生活習慣病の治療は根本療法ではなく対症療法になります。薬で血圧、コレステロール、血糖値を下げる治療は対症療法にすぎず、薬を止めるとまたデータは悪化します。内臓脂肪蓄積が原因の生活習慣病の場合、痩せればデータが改善して薬は不要になります。痩せるのは患者さん自身の努力にかかってきます。
鉄欠乏による倦怠感・うつ症状・朝起きられない・頭痛などの症状は、ヘム鉄の摂取を患者さんがするしかありません。ヘム鉄摂取ですが、1日1粒で足りるわけではなく、結構な量を飲んでもらわないと鉄の貯金は増えません。しかし、サプリメントが飲めない・飲むのがしんどい、という人が時々います。鉄の貯金が増えないと治りません。
血糖値の乱高下が原因で体調不良になっている場合は、食生活を大幅に改めるしかありません。しかし、アイスやジュースがやめられない、ラーメンや菓子パンが食べたい、という人が少なくありません。一種の糖質中毒なのかもしれませんが、これも医者が介入できる領域ではなく自分の意思の問題です。
食に興味のない人がいます。おなかが空かない、欲しくない、と言います。1日1食しか食べない人もいます。食べるのも本人しかできません。食べれない人を食べれるようにする術を私は知りません。またサプリメントを摂ったとしても食事をまともに摂取しなければ栄養状態は改善しません。
「患者に治ろうという努力の気持ちがあってこそ医者の治療は効きめがあるんだ」というブラックジャックのセリフがあります。栄養欠損や乱れた食生活によって生じた疾患や症状は、本人しか治すことができないのです。人間の身体は全て食べた栄養からできています。代謝に必要な酵素・精神を左右する脳内ホルモン・皮膚・免疫細胞なども栄養からできています。どういった栄養がどういう働きをしているのかを小学校・中学校の授業で習っておいたほうがいいのではないかと思います。