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採血後の内出血

採血や点滴をした跡が青あざになる(内出血)人が時々います。見た目はややグロテスクではありますが、臨床的にはたいしたことではありません。血管が細くて何回も針をさすと内出血になることはありますが、内出血の殆どは採血される側に要因があります。医療側のミスではなく、患者さんの血管壁が脆いのが最大の原因です。特に打ち身をした記憶がないのに脚や腕に青あざができる人(女性に多い)います。これも血管が脆いせいです。血管を守るために血管の周りにはコラーゲンが覆っています。このコラーゲンが脆弱だと軽い打撲や採血操作で内出血ができやすくなります。コラーゲンの材料は鉄、タン白質、ビタミンCなどですが、女性は鉄欠乏の人が多いのでコラーゲンが脆弱で内出血しやすいのです。昔の船乗りさんが壊血病で命を落としていましたが、これもビタミンC欠乏によるコラーゲン形成不全が原因でした。採血後は3分間ほどしっかり押さえてください、と看護師も声掛けしますが、すぐに押さえるのを止めるとコラーゲンが脆弱な場合は内出血の原因になります。コラーゲンが脆弱なこと以外では、血小板減少(肝硬変や特発性血小板減少症)や心筋梗塞や脳梗塞後に血液サラサラの薬を飲んでいる、血友病なども内出血の原因になります。内出血したからといってナースのせいにはしないでください、コラーゲンのせいですから。