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少し前のNHKあさイチで「更年期症状と思いきや・・・まさか甲状腺の病気」という内容を放送していました。ちょっとしたことでイラっとしたり意欲の低下があったりしていたA子さんは更年期症状だと思って我慢ししていけれど実は甲状腺機能低下症だった、という話です。甲状腺機能低下症は、倦怠感・意欲の低下・無気力・むくみなどの症状が有名ですが、イラっとするのはちょっと違う気がします。更年期と思いきや甲状腺機能低下症だったと言うケースはあまりなく、一番多いのは鉄欠乏です。ホットフラッシュ以外は更年期と鉄欠乏はほぼ症状が同じです。血液検査をすれば更年期か甲状腺機能低下かはすぐ診断がつきます。しかし、鉄欠乏は見逃されやすいのです。ヘモグロビンの値が基準範囲内にあると鉄欠乏ではないと言われることが多いです。鉄の貯金をみるフェリチンを測定することも最近は増えてきましたが、基準範囲内にあれば鉄欠乏ではないと言われます。基準範囲の設定がそもそも間違っていますし、基準範囲=正常範囲と医者の多くも理解できていないので見逃されても仕方がありません。
更年期にさしかかるアラフィフ世代の女性で、気力の低下・倦怠感などを感じ医療機関を受診して検査しても「異常なし・ホルモン値からまだ更年期ではありません・甲状腺は異常ありません」と言われた場合は隠れ鉄欠乏の可能性が大です。ただ、鉄欠乏の治療は保険の鉄剤ではうまくいかないことが多いです、栄養療法医での治療をお勧めします。