blog
進行癌の場合、手術をしても再発することはよくあります。再発という表現は正しくはなく、微小残存癌の顕在化、と言ったほうが正しいのかもしれません。脈管侵襲、リンパ管侵襲があると癌細胞は局所以外にちっている可能性があります。そういう場合に再発しやすくなります。そのため、進行癌の場合には抗癌剤治療を行うのが一般的です。私が研修医のころと違って抗癌剤も効くようになってきていますが、それでも全ての人が完治するわけではありません。
臓器によって多少違いはありますが、術後1年以内の再発(残存癌顕在化)は4割弱、3年以内の再発は約8割で見られます。5年再発がなければ完治している可能性が高くなります。ですから再発予防対策は術後すぐに始める方が効果が高いのです。抗癌剤などの標準治療にプラスして栄養療法(低アルブミンや貧血の是正、分化誘導、癌のアポートシスを促すなど)と高濃度ビタミンC点滴を行うことが再発予防に非常に有効です。また栄養療法は抗癌剤の副作用軽減(白血球減少、下痢、嘔気)にも役立ちます。
癌と診断された場合、手術をする前から相談していただくのがよいです。