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不妊症の検査を行っても、原因が特定できない場合(卵管・卵巣・子宮・精子などに異常がない)、機能性不妊症とか原因不明不妊症といいます。産婦人科学会も、「全く原因がないということは考え難く、原因をみつけることが現在の診断技術では困難な不妊症だ」と考えてはいるようです。分子整合栄養医学的には、機能性不妊症の主原因は細胞レベルでの栄養欠損と考えています。つまり、栄養不足が原因ということです。この飽食の時代に栄養不足?と思われる方も少なくないでしょうが、現代の日本人女性は先進国ではまれなくらい痩せすぎの人が多いのです。内閣府男女共同参画局の調査によると、10代~30代の女性で痩せている人が多く、痩せと言われるBMI18.5未満の割合が20%近くいるそうです。BMI18.5%未満の痩せた状態ですと、月経不順や無月経になるリスクが高まります。
人間の身体は60兆個の細胞から成り立っていますが、それぞれの細胞はすべて食べた栄養からできています。また生きていくためにはエネルギーが必要ですが、エネルギー産生には酸素と栄養がないといけません。妊娠に関して言えば、受精するためにエネルギーが必要ですが、エネルギー産生にはビタミンB群・ビタミンC・鉄などの栄養が欠かせませんし、子宮内膜をふかふかにするにもタン白質・ビタミンA・鉄などの栄養が必要になります。
食べ物から人間の身体ができるということを忘れているのか、食事を軽視している人があまりにも多すぎます。朝ごはんを食べない、空腹が満たされたらいい、パンや麺など好きなものばかり食べる、一人暮らしなのでコンビニなどで適当に買って済ませる、という人が多いのが現状です。また日本人に痩せた人が多いのは、スリム願望やダイエット志向が強い国民性が原因であるとも言われており、タン白質やビタミンミネラルの不足した不適切なダイエットを行う人が多いのも痩せの原因になります。現代の丸の内のOLさんは、戦後の食糧難の時よりも栄養状態が悪いということをNHKの特集でもしていました。
医学部では栄養不足で病気(殆どの慢性疾患が細胞レベルでの栄養欠損が発症の原因になっていると分子整合栄養医学では考えています)や不妊になるということは教えていませんので、殆どの医師も栄養不足が原因で不妊になるとは考えていません。昔は脚気や壊血病といったビタミンの不足で命を落とす病気がいろいろありましたが、それは過去の話で、飽食の現代において栄養不足で病気になんかならないと思っているのです。ですから産婦人科を受診しても、卵管・卵巣・子宮・精子などに異常がなければ原因不明不妊症と診断されてしまうわけです。
機能性不妊症・原因不明不妊症の多くは栄養欠損が背景にありますので、適切な診断と栄養アプローチを行えばかなりの確率で妊娠することは可能です。機能性不妊症・原因不明不妊症と診断されてお困りの方は是非分子整合栄養医にご相談ください。
栄養療法による不妊治療について詳しくお知りになりたい方は私の著書をお読みください。