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メガビタミン療法ではなく至適量で

分子整合栄養医学をきちんと学んでいない医師が、メガビタミン療法で○○が治る、などと本を書いていますが、あの内容を真に受けて海外製のサプリメントを大量に飲んでいる人が少なくないようです。キレート鉄を推奨しているのも問題です。プロテイン+メガビタミン+ミネラルで健康になると謳っていますが、成人男性には鉄のサプリメントは不要です。成人男性で鉄欠乏の場合は、ピロリ菌感染や消化管の癌を疑い、内視鏡検査をすべきで鉄の補充は器質的疾患を除外してからの話です。
厚労省が定める食事摂取基準は欠乏症(壊血病や脚気など)を起こさない最低限の量なので、この量を摂取していては細胞の栄養は充足されません。ですから量をしっかり摂取しないと欠乏によって生じた症状の改善はできません。しかし、なんでもかんでもメガ量摂取するのは問題です。ライナス・ポーリング先生は、人間は潜在的にビタミンC欠乏状態にあるので、摂取基準量よりもはるかにもっとビタミンCを摂取すべきと言われただけで、なんでもかんでもメガ摂取することなど推奨していません。至適量を摂取すべきと言われています。個々人栄養の不足の程度が違いますし、需要量も異なります。ビタミンB依存体質の人は少ない量で代謝が回る人の20倍も摂取する必要があります。妊婦さん、スポーツ選手、癌や炎症性疾患の患者さんなどは栄養の需要が亢進しています。そのため、血液検査で何がどれくらい不足しているかをきちんと調べ、不足の程度に応じた量(至適量)を摂取するのが望ましいのです。
本から得た知識をもとにサプリメントを自分で買って飲むのはお勧めできません。血液検査をしたうえで必要な栄養素を至適量摂取することをお勧めします。