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敵と闘うには武器が必要です。病気と闘うのも同じです。朝起きられない中学生が地元の小児科を受診し、原因がよくわからないので大学病院に紹介されました。慢性疲労症候群と診断され薬を処方されていましたが、分子整合栄養医からみたらこんなので改善するわけないわと思う内容でした。シナール、ケタス、ユキノンの3剤でした。シナールはビタミンC(1錠に200mgしか含有されません)、ケタスは脳梗塞後遺症に伴う慢性脳循環障害によるめまいの改善薬、ノイキノンは心不全の薬でサプリメントのCoQ10と同じ成分です。いずれも慢性疲労の治療としての適応はない薬のはずです。エネルギー産生や血流改善を狙っての処方なのでしょうが、保険診療では処方量に決まりがあるので効果を発揮するだけの量は処方できません。栄養療法は容量依存性に治療効果がでますのである一定量以上摂取しないといけません。病気と闘う武器としてシナール・ケタス・ノイキノンはしょぼすぎます。武器でたとえると竹槍程度です。一方の栄養療法は保険ではなく自費で栄養素を処方しますので、高容量を摂取してもらうことが可能です。ビタミンCは5000mg以上は摂取してもらいます。高濃度ビタミンCでは25~75gいれます。ビタミンBはB1で189mg、CoQ10は600mg以上使うことも珍しくありません。保険診療はとにかくしばりが多い(適応病名でないと使えない、処方できる量に上限がある、合成の場合効果が期待できないものもある)ので、栄養欠損が原因で生じた症状や病気には効果が期待できません。師匠が「疾病と闘うには強力な武器が必要だが、私たちには強力な武器がある。」とよく言われていました。栄養素は、栄養不足を是正させる力を持つ強力な武器なのです。
糖尿病や高血圧症などは保険の薬がよく効きますので、薬の力を借りるのがいいのですが、細胞の栄養不足によって生じた症状や病気には薬では対処できませんので栄養素の力を借りなければいけません。慢性疲労でお困りの方はご相談ください。