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昨年末ですが、NHKのあさイチで「知っておきたい!うつ病の薬物療法」というテーマを取り上げていました。なんと日本人の15人に1人はうつ病だそうです。問題にされていたのは、精神科や心療内科での多剤投与でした。症状を訴えるたびに薬が増え、最終的には1日に40錠もの薬を処方された人もいました。このような多剤投与をする国は欧米にはなく日本のみです。精神科領域の薬は副作用がたくさんあり、薬のせいで調子を崩すことも少なくありません。薬が効いていないのなら追加するのではなく、効いていない薬を中止し他の薬に変更すべきなのに、なぜか精神科や心療内科では薬を追加していく傾向にあります。
うつ病は脳内の神経伝達物質であるセロトニンの不足が原因とされています。人間の身体は食事からの栄養ですべて成り立っていますが、このセロトニンもアミノ酸・鉄・ビタミンBなどの栄養から作られます。うつ症状の多くは脳内の栄養濃度の乱れが原因であるので、薬ではなく栄養療法を第一選択すべきだと私は考えています。うつ病の治療薬としてSSRI(選択的セロトニン再取り込阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込阻害薬)がよく処方されていますが、栄養不足でセロトニンの合成量が少なければ、再取り込みを阻害しようにもセロトニンの絶対量が少ないので脳内濃度があがりません。ですから薬を飲んでもいっこうにうつ症状が治らないわけです。症状がよくならないと主治医に伝えると新たな薬を追加され、内服する薬の量がどんどん増えてしまい多剤投与になるわけです。特に女性は生理の関係で鉄不足に傾いており鉄不足が原因でうつ症状が生じていることが多いのですが、女性のうつ症状改善のために鉄の補給を勧める医師はいません。またこれらの抗うつ薬には胃腸障害・自殺念慮・自殺企図・攻撃性や易刺激性増加による他害行為などの副作用も見られます。しかも、鉄は薬の解毒酵素の材料として必要なので、鉄欠乏の女性は副作用が起きやすくなります。一方、成人男性のうつ症状ですが、男性には月経がないので鉄不足になることはあまりなく、仕事や対人関係のストレスの関与が大きいので栄養療法では症状が改善しないことが多いように感じます。
鉄欠乏の女性はヘム鉄摂取で劇的に症状が改善するケースが多いです。うつ症状、疲労感、意欲の低下で抗うつ薬を飲んでも症状が改善しない女性は、栄養不足が背景にある可能性が大ですので、是非とも分子整合栄養医にご相談ください。