保険の鉄剤で吐き気・胃痛

月経の関係でどうしても女性は鉄欠乏に傾きます。健診で貧血を指摘されることも珍しくありません。ヘモグロビンの値が１０g/dlほどあれば軽い貧血ですね、と言われるだけで積極的に治療されないことも少なくありません。中等度以上の貧血になるとさすがに鉄剤による治療がなされますが、吐き気・胃痛・便秘などの胃腸障害がでることが多く服用をやめざるを得ない人も少なくありません。これは、保険の鉄剤は非ヘム鉄なのでフェントン反応をおこして活性酸素を発生させて胃腸の粘膜を傷害するためです。また非ヘム鉄は吸収率が悪いのでヘモグロビンはなんとか基準内に改善できてもフェリチンがある一定以上はなかなか増えてくれません。フェリチンが増えないと、倦怠感・頭痛・意欲の低下などの症状が改善しません。ｇｄｍクリニックでは治療用の高濃度のヘム鉄を使って治療します。ヘム鉄はポルフィリンという有機物が鉄を覆っているので活性酸素を発生させませんし吸収率も格段にいいのでフェリチンも増えやすいです。ちなみに、鉄剤内服が副作用でできなかった場合に、鉄剤の注射をするケースが多いですが、血管内に大量に注入された無機鉄が肝臓・膵臓・心臓などの臓器に沈着して活性酸素を発生させてしまいますので緊急の時以外は鉄剤の注射はお勧めできません。
貧血の治療をしたけれど吐き気・胃痛などの胃腸症状で鉄剤の治療を中断してしまった方はご相談ください。