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朝起きられない、登校できない、といった症状(小児科では起立性調節障害という病名を付けられます)でお困りの児童生徒さんの受診が最近非常に多いです。小児科医は、自律神経の調節がうまくいかないために血圧が低下することがこの病気の原因と考えています。そのためまず処方される薬は昇圧剤です。しかし、こんな薬を飲んでも起きられません。朝起きられないのはエネルギー不足だからです。診たてがまず違うので適切な治療を提供できません。成長期は骨、筋肉の成長や循環血液量の増大で鉄やタン白質などの栄養を大量に必要としますので、栄養欠損状態に陥る子が多いのです。起立性調節障害は思春期に多いのはこういった理由があるわけです。
ミトコンドリアでのエネルギー産生がうまくいかないというのが頻度としては一番多いのですが、それ以外にも原因はあります。機能性低血糖症という病気です。糖質の摂り過ぎで血糖が下がる病気です。ミトコンドリアでのエネルギー産生低下、機能性低血糖症が大半の原因でしたが、最近ではコロナ感染後遺症やコロナワクチンの副作用・子宮頸がんワクチンによる倦怠感の子も時々に見かけるようになってきています。原因を正しく同定しなければ適切な治療を行えません。詳しい問診、血液検査が非常に重要になってきます。