blog
白米を食べ過ぎて脂肪肝を指摘されカロリー制限をしている人が体調不良を訴えて受診されました。聞くと摂取カロリーが1600kcal/日くらいしかありません。3か月で12kgほど体重は落ちていますが、倦怠感が強く日常生活に支障がでていました。また睡眠障害もありました。その人の基礎代謝量を計算すると1650kcaほど必要でした。基礎代謝量とは、心臓を動かす、呼吸をするなど、何も行動せずじーーとしていても必要最低限のエネルギー量のことです。そりゃ基礎代謝量よりも少ない摂取カロリーではまともに動けるわけはありません。
脂肪肝改善にしろダイエットにしろ間違った食事療法をすると体調を崩します。タン白質の摂取が少ないと筋肉が落ちます。筋肉量が低下すると基礎代謝量が低下して脂肪が燃えにくくなります。また摂取カロリーを制限しすぎると、体蛋白を壊してエネルギーに変換するのでこれまた筋肉量が低下してしまいます。代謝反応に必要な酵素の基質はタン白質なので、タン白質の摂取が少ないと酵素の産生も低下して代謝が悪くなります。
痩せているのに脂肪肝になっている人が時々います。低栄養、厳密に言うと低蛋白による脂肪肝です。タン白質の摂取が少ないと、インスリン代謝の異常(肝臓での脂質合成の活性化)・IGF-Ⅰ・FGF21などのホルモン異常を生じて肝臓での脂質の蓄積を来します。
脂肪肝の治療するにもダイエットするにも、タン白質の摂取量を落とさないようにすることが重要です。