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国民健康・栄養調査によると、BMIが18.5未満の「痩せ」に該当する成人女性は、20代女性に限ると約2割を占めるそうです。30代になれば痩せすぎがすぐ解消するわけではなく、30代の女性も2割近くが痩せすぎの状態です。ちなみに痩せの人の占める割合は先進国の中では一番です。
痩せすぎはなにがよくないかというと、女性ホルモンバランスが乱れることです。つまり無月経や不妊の原因になるということです。脂肪細胞からレプチンというホルモンが分泌されており、卵巣機能を活発にしてエストロゲンの産生を促すという働きがあります。また痩せているということは食事の摂取量も少なく、卵巣機能維持に必要な栄養素の摂取も不足しているはずです。またホルモン分泌や排卵にもエネルギーが必要ですが、エネルギー産生に必要な栄養素も不足しているはずです。
痩せすぎの女性は自然妊娠しにくいので不妊治療を受ける方の割合が多くなります。痩せた状態のまま体外受精で妊娠してしまうと、10か月間赤ちゃんに栄養をあげないといけないのに栄養の在庫がないので早産になり低体重で生まれてくることになります。妊娠中に母体が栄養不足ですと肥満遺伝子にスイッチが入ってしまいます。どういうことかと言いますと、少ない栄養を少しでもお母さんからもらうために栄養を吸収しやすい体質になってしまうということです。肥満遺伝子にスイッチが入った赤ちゃんは将来太りやすい体質になっていまい、メタボのリスクが高くなります。内臓脂肪が過剰に蓄積すると、悪いサイトカインが脂肪細胞から分泌され高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などを発症しやすくなるのです。
適切な食事(タン白質、ビタミン、ミネラル豊富)を心がけて適正体重にすることが、無月経・月経不順・不妊の予防になり、ひいては将来授かる赤ちゃんの健康を守ることにつながります。控えるべきはスイーツやパンです。肉は女性に必要な栄養素が豊富に含まれているのでしっかり食べてください。