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起立性調節障害のお問い合わせが激増

朝起きれずに登校できない児童生徒が増えています。私が小学生・中学生のころ(昭和50年代になりますが)には同級生に殆どそういう症状の子はいなかったように思います。この症状で小児科や内科を受診すると、血圧の測定などをして起立性調節障害と診断されます。朝起きられない児童生徒の多くは血圧が低い、もしくは臥位・座位と立位の血圧の変動が大きいです。そのため、血圧が低いことがこの病気の原因と誤解されてしまい、血圧を上げる薬が処方されてしまいます。血圧は確かに低いのですが、低血圧がこの病気の本態ではありません。エネルギー不足が原因なのです。エネルギー不足になる原因はミトコンドリアでのATP産生がうまくいかないことが主な原因です。その他には機能性低血糖症と言って不適切な食事・間食によって血糖値が低下してしまうことも頻度としては多いです。両者の合併の場合もあります。
病気の原因を正しく理解して治療しないと症状はよくなりません。ただ、男子は成長が止まると鉄の需要が減り自然と元気になっていくケースがあります。女子の場合、背の伸びが止まっても月経が開始されるので鉄欠乏が改善されるどころか悪化してしまうので、なかなか治りにくいというケースが少なくありません。
一般的には昇圧剤、漢方薬の治療がなされますが、病態を考えると効くはずがありません。昇圧剤を飲んでも効果を感じないので薬を飲むのを数か月で止めたという人も少なくありません。症状が改善しなくてお困りの方はご相談ください。