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貧血にも原因が色々あります。造血にはタン白質、鉄、ビタミンB6、B12、亜鉛、銅などが必要ですので、これらが不足すると貧血になります。子供や女性に多いのは鉄欠乏が原因の鉄欠乏性貧血です。鉄はヘモグロビンを作るのに3分の2使われますが、残りの3分の1はセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質、粘膜、酵素、ミトコンドリアなどに必要です。セロトニンやドーパミンはやる気を出させたり精神を安定させたりする働きのある神経伝達物質なので、鉄が不足するとこれらの産生が低下してうつ症状・意欲の低下・情緒不安定・イライラなどの精神症状が出ることが少なくありません。ただ、個人差があり激しい貧血でも元気な人もたまにいます。
月経のある年代の女性は月経で毎月鉄を多く失っていますので、貧血(ヘモグロビンが低下)に傾いている人が多いです。ヘモグロビンは基準範囲内にあっても鉄の貯金が少ないと貧血の人と同じ症状がでます。軽い貧血の女性は珍しくないので医者もあまり病気と認識せず積極的に治療しないケースも少なくありません。また治療したとしても活性酸素を発生させる鉄剤の内服なので胃痛・嘔気・便秘・下痢などの胃腸障害がでることが多く薬が飲めない人も少なくありません。
分子整合栄養医学では貯蔵鉄を高めることを主眼において治療します。保険の無機鉄は吸収率が悪く貯蔵鉄がなかなか増えません。貯蔵鉄が増えないとうつ症状・倦怠感・易疲労などの症状が改善されません。gdmクリニックでは吸収率がよく活性酸素を発生させない高容量のヘム鉄(豚由来)で治療を行っています。