男性不妊の原因

昔は不妊の原因は女性にあると思われていましたが、最近は検査技術が進み男性側に不妊の原因がかなりあるということが判っています。男性不妊の原因の殆どは造精機能障害、つまり精子をうまくつくれないためです。精子に亜鉛が必要なのはみなさんもご存じだと思いますが、一番重要な栄養素はタン白質です。タン白質や亜鉛以外にも健全な精子を作るには重要な因子がいろいろあります。精巣機能維持にはビタミンＡが欠かせませんが、ビタミンＡを処方している不妊クリニックは皆無だと思います。また、精巣は活性酸素に弱いので、喫煙、過度の飲酒、マラソンなどのハードな有酸素運動は活性酸素を発生させますので男性不妊の因子になります。ちなみにマラソンをすると男性ホルモンが大幅に低下し回復するのに3か月かかるとも言われていますので、妊娠を希望されている方はマラソン、トライアスロン、ロードバイク（自転車）などのハードな有酸素運動はやめた方がよいかと思います。尚、酸化ストレスの多い人は、ビタミンＣやビタミンＥなどによる抗酸化アプローチも必要かもしれません。あとは、ホルモン分泌に影響を与えるストレスや睡眠不足も妊娠を遠ざけますので、ストレスコントロールや十分な睡眠も重要です。少し前に診た論文に、締め付けるタイプの下着（ブリーフ）は精巣にとってよろしくない環境（精巣機能が低下する）で、ゆったりとした下着（トランクス）を履く方が多くの精子をつくれる、と書いていましたので下着にも気を付けてください。

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