妊娠しにくい原因は一つではない

不妊の治療で受診された人が、血液検査結果の説明を聞いた後に「何が原因なんですか？」と聞かれました。また、以前に体外受精をしたがうまく着床しなかったのは何が原因ですか？と体外受精をした医師ではなく私に聞いてきた人がいました。不妊や着床しない原因は○○です、と断定できるケースの方がレアです。それが分かれば治療はもっとうまく行きます。不妊に限らず、原因が分からない病気の方が多いのです。医者ならそのこと常識的なことですが、一般の人は検査すれば全て原因がはっきりわかると思い込んでいる節があります。
妊娠しない、着床しない原因は複数の要素が関与していることが殆どです。その中でも大きな原因は栄養欠損です。ただ、○○さえ摂れば妊娠する、といった単純な話ではありません。栄養欠損も鉄不足のみとか亜鉛不足のみではなく、複数の栄養欠損が背景にあり結果的に妊娠しにくい、着床しにくい、という結果になっているのです。
分子整合栄養医学的な血液検査を行い、不妊と関係がある栄養の不足を洗い出し、不足栄養素を全てを至適量を（本来あるべき細胞・組織の分子濃度に戻すだけの量）摂取するという地道な作業が妊娠への近道になります。