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コレステロールの基準値

血液検査の基準値は検査会社によって多少違いがあります。基本的に基準値は、母集団の平均値の標準偏差の±2倍で決められます。簡単に言うと検査した人の95%が入るように基準範囲は設定されます。ですから、基準値なんかで判定していては栄養欠損を見逃してしまいます。一般の医療機関で栄養欠損の指摘がなされない、異常がない、と診断されてしまうのはこのためです。
しかし、脂質(コレステロールや中性脂肪)の基準値は平均値±2×標準偏差ではありません。動脈硬化学会の意向が反映されますが、検査会社や病院によってかなり基準値にばらつきがあります。gdmクリニックの委託している検査会社の総コレステロールの基準値は142~248mg/dlですが、岡山の健康診断施設はこれよりも20mg/dlほど低く設定しており、健診でひっかかったと言って患者さんが結果票を持ってよく受診します。先日健診結果を持ってこられた方は県外で健診を受けられた方ですが、ここの総コレステロールの基準値は199mg/dl未満だったのには驚きました。ちなみに私は、コレステロールは細胞膜や性ホルモン・抗ストレスホルモンの材料として重要なので少なくとも総コレステロール値は200mg/dl以上にしましょうと患者さんい言っております。
コレステロールも酸化すると動脈硬化の原因になりますが、酸化させなければ総コレステロール値が300mg/dlあっても問題ないことが殆どです。喫煙、高血糖、ビタミンB不足、感染などで動脈硬化が起きることの方が多いと考えています。