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高コレステロール血症に対する困った食事指導

コレステロールが基準値より高いと、「心筋梗塞、脳梗塞になるから薬を飲め」というような脅し文句を言う医者がいます。日本のコレステロールの基準値は低すぎるので多くの人が基準値を超えてしまい病人にしたられます。薬が良く売れて製薬会社にとっては嬉しいことです。しかし、コレステロールは細胞膜や性ホルモン、副腎皮質ホルモンなどの材料として重要です。また脳内に多くのコレステロールが必要で脳神経維持に欠かせません。
コレステロールが高いと、ご丁寧に食事指導の紙を患者さんに渡して栄養指導している医療機関があります。肉、卵、バター、牛乳などの動物性食品を控えるよう書かれています。先日も、コレステロールが高いと数年前から指摘され栄養指導を受けた患者さんが、皮膚トラブル・内出血などの主訴で受診されました。コレステロールが高いと言われてから、栄養指導の内容を守って肉や乳製品は摂らずに野菜中心の食事をしていたと言われました。案の定、血液検査ではタン白質不足、鉄不足が目立ちました。皮膚の健全化にはタン白質、ビタミンA、亜鉛、ビタミンBが欠かせません。また内出血は血管を保護するコラーゲンの脆弱が原因ですが、コラーゲンは鉄やタン白質が材料です。皮膚やコラーゲンを作る栄養素はいずれも動物性食品に多く含まれています。これらを制限した結果、肌や血管のコラーゲンが弱くなったものと考えられます。
コレステロールは基準値よりやや高い方が、元気で長生きしている人が多いです。動脈硬化が気になるならコレステロールを下げることよりも、動脈の内中膜の酸化を防ぐ手立てをした方がずっと効率的です。