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大腸がん・胃がん・乳がんなどの固形がんの手術をした後にどのような治療をするかによって再発を防止できるかが決まります。早期がんの場合は追加治療は不要ですが、進行がんの場合はなんらかの対策をとらなければいけません。標準治療では抗がん剤治療をすることになります。乳がんに関しては女性ホルモンが関与しているのでホルモン療法と抗がん剤治療の両者が行われることが多いです。
抗がん剤治療は、活性酸素を発生させてがん細胞をやっつける治療ですが、がん細胞より分裂の早い臓器にダメージを与えてしまいます。骨髄、小腸、毛母細胞などが分裂の早い臓器・組織なので、白血球減少、貧血、下痢、嘔気、抜け毛などの副作用が生じるわけです。まずいことに骨髄と小腸は免疫を担う臓器なので抗がん剤治療は免疫能を落としてしまう治療になります。外科医や腫瘍内科医は標準治療のことしか知りませんので、他の治療について勧めることはありません。しかし、抗がん剤治療と平行して栄養療法を行う方が予後がよいのです。具体的には、貧血や低アルブミンの是正、分化誘導療法、がん細胞のアポトーシス療法などを行います。これらの治療は免疫能を低下させることはなくむしろ免疫能を高めてくれます。また高濃度ビタミンC点滴も微小残存癌をたたくのに有効です。
抗がん剤治療をする際に医師が、高濃度ビタミンC点滴は抗がん剤の効果を弱めるので摂取しないようにと言うことがありますが、それは見当違い、勉強不足です。先ほども少し言いましたが、抗がん剤治療はヒドロキシラジカルという活性酸素を発生させてがん細胞をやっつける治療です。ビタミンCは抗酸化物質なのでビタミンCを入れると抗がん剤の活性酸素を打ち消すと勘違いしているのだと思いますが、高濃度ビタミンC点滴をするとフェントン反応を介して過酸化水素という活性酸素を発生させるのです。がん細胞は過酸化水素を消去するカタラーゼ活性が低いので、がん細胞内の過酸化水素を消去できずがん細胞は過酸化水素によってダメージを受けるという仕組みです。ですから、抗がん剤治療の効果を打ち消すことはなく、むしろ過酸化水素からヒドロキシラジカルに変化して効果を強めていると考えられます。
再発が分かってからではなかなか治療効果が得られにくいので、術後早期から高濃度ビタミンC点滴や栄養療法を積極的に行うことをお勧めしています。