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朝起きられない児童・生徒によくつけられている診断名は「起立性調節障害」です。しかし、この病名は正しくありません。そしてこの病名に対して処方される血圧を上げる薬を飲んでも、診断が間違っているので効果が得られません。
朝起きられないのが、思春期の児童・生徒に多いということは小児科医も知っているようですが、自律神経の関係で血管の調節がうまくできずに血圧が下がる病態と考えているところが大間違いです。朝起きられない原因で一番多いのは、エネルギー産生不足です。思春期に、骨が急激に伸び体格が大きくなり循環血液量も増えないといけません。骨の成長、筋肉の成長、循環血液量の増大には、鉄・ビタミンB群・タン白質などの栄養が必要です。産まれてから成長し続けているので子供は潜在性鉄欠乏状態にあります。思春期に入るとさらに栄養の需要が亢進して一気にエネルギー産生がうまくいかなくなり症状が起きます。鉄やタン白質の不足で、頭痛・腹痛・嘔気などの症状も同時に見られることが多いです。
栄養不足以外にも、糖質の摂り過ぎによる血糖の乱高下なども朝起きられない原因としてよくあります。いずれにせよ昇圧剤では改善しません。保険診療では対処できない病態ともいえます。昇圧剤を飲んでも症状が改善しなくてお困りの場合は是非分子整合栄養医にご相談ください。