妊娠はゴールではありません

不妊治療のすえやっと妊娠すると多くの人はほっと一安心されるようです。しかし、赤ちゃんにとって妊娠はゴールではなくスタートにすぎません。栄養療法しながら妊娠された方の多くは妊娠中の栄養素の重要性を私が説明しているので、妊娠してからも定期的に血液検査をして栄養状態をチェックし、不足栄養素を補充される方が多いです。
産婦人科の定期検診では検尿、血圧測定、体重測定とたまに貧血の検査くらいしかしませんので、血液データがどんなふうに推移しているのか殆どの妊婦さんはご存知ないと思います。妊娠中期、後期になるとどんどんデータが変化していきます。フェリチン、アルブミン、亜鉛値などがどんどん低下していきます。タン白質、鉄、亜鉛は赤ちゃんにとって非常に重要な栄養素です。心臓の壁の一部はコラーゲンでできていますが、これらの栄養素はコラーゲン合成に必要なので、不足している場合、中隔欠損症になるリスクが高まります。また鉄やビタミンＢ群の赤ちゃんの脳神経の発達にも欠かせません。母体の栄養状態が悪ければ、出産後に良質の母乳がでない・産後うつのリスクが高まる、といった影響もでます。
妊娠はゴールではなくスタートなので、妊娠してからより一層栄養の必要が高まるということを事前に知って頂きたいです。