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NADとサーチュイン遺伝子

サーチュイン遺伝子には、ダメージを受けたミトコンドリアをオートファジー(自食作用)により取り除く、ミトコンドリアの分裂を促してATP産生を高める、傷ついたDNAを修復する、などの働きがあります。そのため長寿遺伝子とも呼ばれます。
10年ほど前ですが、11食で空腹にすると若返るという変な健康法を唱える医者がいました。空腹がサーチュイン遺伝子を活性化するからです。最近流行りの16時間断食というのも同じような考えです。しかし、11食とか16時間断食では、栄養が足りなさ過ぎて異化>同化になっていまし身体が修復されません。特に肌がぼろぼろになります。また心を安定させる神経伝達物質セロトニンの材料も不足する可能性があるので精神にも異常を来すことになりかねません。1日1食とか16時間断食で多少サーチュイン遺伝子が活性化されたとしてもトータルで考えると栄養欠損に陥り不健康になりますし老化も進んでしまいます。
先日お話したNADという物質は、サーチュイン遺伝子の基質として働いてくれます。そのためNADは若返りの物質と呼ばれるわけです。細胞を維持するだけのタンパク質、ビタミン、ミネラルを適切な食事で確保し、さらにサーチュイン遺伝子を維持するNADの前駆物質ナイアシンやナイアシンアミドを補充するのがよいかと思います。