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栄養療法医もどき

県外から岡山に戻ってきた方が受診され次のような話を聞きました。皮膚炎で栄養療法を謳っている医療機関を受診して、一般的な血液検査項目以外にフェリチン、25OHVD、亜鉛、銅などの検査をしたが、結局栄養処方は行われずステロイド軟膏を処方されただけとのこと。なんのために高いお金を出して検査をしたのか分からない、とも言われていました。ステロイドだけなら医療機関を受診しなくてもドラックストアでも手に入ります。CMでよくやっている手湿疹の軟膏などはステロイドですから。
栄養療法を謳っている医療機関は今では全国あちこちにありますが、栄養メインで治療しようとするところは殆どないと思います。栄養処方だけでは医師は不安なんだと思います。皮膚が真っ赤なのに薬を使わずに栄養だけでよくしようと思うと、医師側もかなりのプレッシャー、ストレスになります。そりゃあステロイド塗ってもらった方が簡単に赤みがひくので気も楽です。しかし、それでは根本的な問題解決になりません。患者さんもステロイドに懲りて栄養療法を希望され受診しています。
栄養療法が広まるのはいいのですが、中途半端な知識と経験で栄養療法ごっこをする医療機関が増えるのは困ります。患者さんにも迷惑ですし、栄養療法はやはり効果のない民間療法なんだと誤解もされてしまいます。ライナスポーリング先生や金子先生に申し訳がたちません。栄養療法を患者さんに提供するなら、きちんと勉強して覚悟を持って栄養処方していただきたいです。