blog

栄養療法もどき

ネットでオーソモレキュラーや栄養療法で検索すると多くの医療機関がヒットします。またオーソモレキュラーで検索すると「オーソモレキュラー、批判」が一番上にでてきます。保険診療では差別化が殆ど図れないので、自由診療を行うクリニックが最近増えています。そこに眼をつけられたのが栄養療法(オーソモレキュラー)なのだと思います。医師向けのオーソモレキュラーの講座も頻繁に開催されています。医師以外の人を対象に行っている講座もあります。栄養療法はただサプリメントを処方すればいいというものではありません。血液検査を生化学的な眼で解析し、病態を考えて栄養処方をしないと治療はうまくいきません。生化学の勉強、病態生理をしっかり理解しないと正しい診断と治療はできません。私は栄養療法を始めて17年以上経ちますが、今でも師匠の書いた本を読み返して勉強しながら診療にあたっています。他の診療の片手間で簡単にできるものではありません。
また、使うサプリメントが非常に重要で、市販のものでは含有量が少なすぎて治療効果は期待できません。医師向けのサプリメントを謳っているものでは、実は中身的にはいまいちなものもたくさんあります。
きちんと勉強していない医師が栄養療法もどきをする、適切な栄養処方をしていない、適切な栄養素を使っていない(キレート鉄を推奨したり天然ビタミンAなどを使わなかったりなど)、などの理由で、栄養療法をうけてみたけれどよくならなかったという患者さんが少なからずいると思います。
分子整合栄養医学の発展のためには、基礎をきちんと学び、臨床経験を積み、正しい栄養処方をすることが重要だと考えます。