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ピロリ除菌を契機にアトピー悪化

アトピー性皮膚炎が薬塗らなくても落ち着いていたけれど〇〇歳の時に悪化してた、という人が時々います。そういう場合、急に悪化したときに何か変わったことがありましたかと尋ねます。就職、結婚、引っ越しなどを契機に悪化する人がいます。ストレスがかかるとストレスに対抗するために副腎から抗ストレスホルモンを分泌します。この抗ストレスホルモンは副腎皮質ホルモンなので、ストレス対抗のために消費され皮膚にまわるストロイドが不足するので皮膚炎が悪化します。
ストレスや環境の変化がない場合は、抗生物質の内服が再燃のきっかけになることがあります。腸内細菌はビタミンB群やビタミンKを産生しています。風邪をひいて病院を受診すると、なぜか抗生物質を処方されることが多いですが、抗生剤を飲むと腸内の善玉菌もダメージをうけ腸内フローラが乱れビタミンB群の産生が低下します。ビタミンB群は皮膚健全化に欠かせないので皮膚炎が悪化することが多いです。ピロリ菌の除菌は、潰瘍予防や胃癌予防のために有益な治療ではありますが、内服する抗生物質の量が多いので、腸内フローラが乱れ下痢の副作用が多いです。患者さんの中には、ピロリ菌除薬を飲んでから皮膚の調子が悪くなったという人もいました。
抗生物質は場合によっては内服しないといけない場合があります。そういう場合は、有胞子乳酸菌や食物繊維などで腸内環境を悪化させないようにする必要があります。