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少し前のNHKあさイチで、去年自殺者数が前年を上回り特に女性が急増、その背景に女性ホルモンが関係している、という内容のものを放映していました。去年自殺者数が増えたのはコロナの影響もかなりあるとは思います。
男性と違って女性には月経があり、月経周期によってホルモンの変動が起きます。また妊娠、出産、閉経でもホルモン値が大きく変動します。そのため、男性に比べて、うつ症状、イライラなどが起きやすくなります。しかし、私はホルモン値の変動以外にも女性にうつ症状が出やすいのは鉄不足が背景にあるからだと思っています。月経で毎月鉄をたくさん失いますので、月経のある年代の女性は鉄欠乏の人が殆どといっていいくらいです。さらに、菜食主義で肉を食べない女性は鉄の吸収量がかなり少なくなります。鉄は脳内の神経伝達物質セロトニンの材料として重要です。セロトニン不足がうつ症状やPMDDの原因になることが多いので、男性よりも女性の方がうつ病になりやすいのは当然の結果です。
対策としては、吸収率のいいヘム鉄を含む肉、レバー、赤身の魚などをしっかり食べることになります。食事だけではなかな鉄の貯金が増えない女性も少なくありませんので、そういう方には治療用のヘム鉄の摂取をお勧めしています。閉経すると、鉄の貯金は徐々に増えてきますので、閉経するまでの間は鉄対策をしっかりされることをお勧めします。ちなみに、保険の鉄剤は吸収が悪く活性酸素を発生させて胃腸粘膜を障害するのでお勧めしません。鉄剤の注射も体内で活性酸素を大量に発生させ臓器に無機鉄が沈着して悪さをしますので要注意です。