様々な病気の発症因子になる歯周病菌

歯周病菌がアルツハイマー型認知症の原因になることを九州大学などの研究チームが解明したそうです。認知症には脳血管性やアルツハイマー型認知症などがあります。脳血管性認知症は、脳の血管の一部が詰まったり(脳梗塞)、破れたり(脳出血)すると、その血管が担っていた部分の脳の神経細胞が障害を受け神経細胞が担っていた機能が失われて認知症になるものです。認知症の７割を占めるアルツハイマー型認知症の原因物質アミロイドβは、歯周病菌や歯周病菌が作る毒素が血管内に侵入してアミロイドβが作られ脳に蓄積して認知症が発症すると考えられていましたが、蓄積の機序がよく分かっていませんでした。今回の研究では、歯周病菌に感染したマウスの脳血管の表面では、アミロイドβを脳内に運ぶ「受容体」と呼ばれるたんぱく質の数が約2倍に増え、脳細胞へのアミロイドβの蓄積量も１０倍に増えていたそうです。
歯周病は、様々な病気の発症因子であることが判っています。認知症以外にも心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病、早産、腎炎、関節炎などは歯周病菌との関連があります。これらの疾患を予防するためにも、歯科での定期的なメンテナンスや栄養療法（歯肉健全化や口腔内の有用菌を増やすアプローチ）をお勧めします。