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新聞の投書欄に健診・人間ドックに関する不満の声がいくつか掲載されていました。結果説明が不十分、問診をきちんとしてくれない、症状を訴えても専門医を受診するように言われるのみ、などの不満が書かれていました。残念ながら健診や人間ドックとはそんなものです。過度な期待を抱いてはいけません。職場の健診は労働安全衛生法によって企業に課せられているので、義務的にやっている感じが否めません。検査項目数も少なく病気を早期で発見することは難しいです。また、診断も数値が基準値内に入っているか否かで判定されます。健診は保険診療ではないので、いくら症状や病気があっても治療はできません。詳しい検査も追加できません。ですから、健診医は症状があるのならここでいろいろ訴えるのではなく、保険診療で専門の科を受診してくれと思いますし、実際そう促します。
血液検査項目の生化学的意義を理解して結果を説明できる医師はあまりいません。そういうトレーニングを受けていないからです。私も恥ずかしながら勤務医の時は基準値でマニュアル的に診断していました。師匠のご指導で医者になって10年目にして血液検査の生化学的背景を考えて診断することの重要性、人間の身体は栄養によって形成されること、栄養を介して様々な代謝が営まれていること、などを知ることができました。一般診療に分子整合栄養医学的な知識が導入されるにはまだ何十年もかかると思います。現在の健診に満足されていない場合は、コストはかかりますが分子整合栄養医に相談されるのがよいかと思います。