blog
分子整合栄養医学では、血液データや症状などから栄養素の摂取量を決めます。そして3~4か月後に再検査して、データの改善がなければ摂取量を増やします。量が過剰ではないかとか、この栄養素はネットで1日何ミリグラムまでと書かれていたとか言う人がいます。メディアやネットには嘘、デマ、根拠がない情報があふれていることをご存じないのだと思います。厚生労働省が発表する日本人の食事摂取基準というものがあります。これは、栄養不足で病気にならない(たとえば脚気)ために最低量を表しているので、これだけ摂取すれば細胞の栄養濃度が理想的な値になるというものではありません。また、ビタミンBは必要量に個人差がありますので、少ない量で代謝が回る人と大量に必要な人との間では20倍の差が開きがありますので、一律何mgと設定できるものではありません。鉄も月経量が多い人、吸収が悪い人がいるので摂取すべき量は人それぞれです。ヘム鉄を1日48mg飲んでもらった方がいますが、体調が改善しないということで再検するとフェリチンの上昇が見られませんでしたが、72mg/日に増量するとフェリチンが上昇し、それに伴い元気なって学校に行けるようなったという例もあります。特に鉄は吸収されにくい栄養素なので経口摂取ではなかなかフェリチンは増えません。過剰を気にするよりも不足の方を問題視すべきです。15年以上この治療をやっていますので、だいたいどれくらい飲めば改善するかは分かりますし、ヘム鉄摂取で鉄が過剰になった女性や子供は今までいません。当然、鉄が有り余っている男性にはヘム鉄など処方しません。
少ない量を摂取しても細胞の栄養濃度が是正されないので症状が改善しません。栄養素の摂取量は血液データに基づいて決めていますので、過剰の心配はせずに摂取量は必ず守っていただきたいです。