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膣カンジダを繰り返すのが困る、という訴えを時々聞きます。カンジダは真菌の一種で、人間ならだれしもいる常在菌です。口腔、腸管、膣、食道、皮膚などに棲んでいます。膣カンジダは、風邪、疲労、ストレス等で免疫力が低下したりホルモンのバランスの乱れなどが起きたりすることによって、腟の中のカンジダ菌が増殖して発症します。ですから性病でもなんでもありませんし、誰しも発症する可能性がある疾患です。胃内視鏡をすると、食道に白い顆粒状のものが付着している人が時々いますが、これは食道カンジダ症です。食道カンジダは胃酸を抑える薬(PPIやH2ブロッカーなど)を常用していても発症しやすくなります。
免疫力が低下すると発症しやすいとされていますが、それ以外にも風邪などで不必要に抗生剤を処方された場合にもよく起きます。抗生剤を飲むと腸の善玉菌も影響を受けて減ってしまいます。そうなると、全身の菌のバランスにも影響を及ぼしてカンジダなどの菌が増えます。普段は数が少ないので悪さをしない(日和見菌といいます)ですが、数が増えることでカンジダ症を発症するわけです。ですから、安易に抗生剤を処方してはいけないのですが、予防的に出しておきます、といって処方されることが少なくありません。
一般的なカンジダの治療は、抗真菌剤の内服や外用になりますが、これは一時的なもので、腸内細菌叢を改善させていないと再発することが多いです。分子整合栄養医学的には菌を殺すのではなく、善玉菌を増やして悪玉菌や日和見菌を減らす治療を行います。腸内細菌叢を改善させるには、プレバイオテイクスやプロバイオティクスの摂取になります。